乳がんの怖さを忘れないで。
あの頃(乳がんであることを告げられた時から)
『これからは健康的な生活をしていこう』命の尊さに気づかせて貰ったことに感謝し
改めて生き方を考えさせられたこと、今も同じように持ち続けているだろうか?
もう1度真剣に新たに勉強するべき時が来たような気がします。
わたしは乳がんの手術後、検査は一切受けないと決めました。
1年に1回の特定健康診査だけです。
特定健康診査とは
特定健康診査は2008年4月より40〜74歳の保健加入者を対象とした新しい健康診断のことです。
「特定健診」「メタボ検診」と言う名称の方が馴染みがあるかも知れません。
生活習慣によって発症するとされる、糖尿病や高脂血症、高尿酸血症の発症や重症化を予防することを目的として
メタボリックシンクロームに着目し減少させるための特定保健指導なども行われています。
早期発見 早期治療ということですね。
主人の会社の健康保険組合から毎年、人間ドックか特定健康診査か選んで、自己負担なしで受ける事が出来る案内が届きます。
2018年に、人間ドックを選んで乳がんを見つけて貰ったのです。
それ以降は人間ドックではなく特定健康診査だけを受けています。
もしかしたら再発なの?
体調が優れない日が続いたり、めまいが頻繁に起こったりすれば、もしかしたら再発なのか?
時々無性に乳がんの手術で切った傷が痛くなる時や、左側の胸全体が痛む時に
もしかしたらただの痛みではなくて再発なのか?
ふっと頭をよぎることもありますが、幸いその考えはすぐに消えて無くなります。
わたしが選んだ道は乳がんになったことさえも忘れたいということです。
なった事実は変えられないのだけれど、とにかく忘れて生きたいのです。
何を馬鹿なと思われるかも知れませんが、そうしないとわたしは生きていけないとさえ思いました。
本能で、これからずっと思い悩むことになるのが、とても怖いことだと分かっていたのかも知れません。
もしも、あれからずっとわたしが再発に怯えて過ごしていたら、周りにだって悪影響を及ぼしていたに違いないのです。
特に主人には毎日辛い思いをさせていたと思います。
再発をしてもないのに悩み苦しむことの愚かさを分かっていても
毎年検査を受けることになれば、必然的に再発に怯えることになるのです。
どんな経験も人は自分が体験しないと本当のところの苦しみは分からないものだと思うのです。
それが例え長年寄り添って来た夫婦であってもです。
つい自分が苦しいと「何故わたしの苦しさを分かってはくれないの?」
なんて毎日言いかねないわたしなのです。(小心者の怖がりです)
そんなことのないように検診を受けないことを望みました。
毎年毎年検診の時期になるときっと心穏やかではいられなくなり、落ち込んだり要らぬ不安や心配で何ヶ月も棒に振ることになるのは目に見えて明らかなのです。
いやいやわたしのことなら、ずっと苦しい思いをしてるはず。
自分のことは自分がよく分かっているので、私の場合は乳がんになったことさえも忘れたいと考えたのです。
落ち込んだり後ろ向きに生活して、毎日のように「大丈夫だよ」って自分の機嫌を取り続けるのはきっとわたしには針の筵です。
だからあの時の自分の決断に今も全く後悔はありません!
背中を押して下さった先生
その決断に至るまでは、結構時間はかかりました。
わたしが最も影響を受けた人は今は亡き 日本の医学者 安保 徹先生 です。
病気になるもならないのも、全てあなたの「生き方」次第。
病はどうして起こるのか?
免疫力が何故病気を治すのか?
交感神経と副交感神経のバランスから成り立つ自律神経、身体が持っている治癒力について科学的に解明し世の中に広めた先生です。
100冊以上の著書があり、YouTubeで安保先生の講演会の記録も沢山あります。
(東北方言で優しくしお話しされる講演は、聴いていてとても癒されます)
私の免疫学は肯定の医学です。肯定して生きるとはどういうことなのか。病をも肯定する。がんすら肯定する。
死をも受け入れる。そんなことがありうるのか。私は自分の免疫学を完成させて、「あるのです。そこまでいって、はじめて大転換があるのです」と確信を持っていえるようになりました。・・・・
現在は、生きにくさの形が変わってきています。その生きにくさと病気が結合しています。今を生き、これからの時代を生きる人のための医学、免疫学をこの本でお話ししていきたいと思います。
著書名 『安保免疫学の完成』の帯より
免疫力を上げることの大切さを知り、自律神経とは何か?を学びました。
乳がん5年生存率・10年生存率
わたしの乳がんはステージ1です。
腫瘍の大きさが2センチ以下、浸潤がんでリンパ節移転のないものでした。
組織診(針生検)を何回も行う程見つけにくいものだったので
わたし的にはステージ0だと勝手に思っているのだけれど。
ステージ1 超早期の場合 手術+放射線治療 薬物療法は行わない場合がある。
ステージ2 早期の場合 手術+放射線療法 薬物療法は必ず行う。
ステージ0でも1でも関係なく、わたしは放射線治療も薬物療法も自分で拒否をして行わない選択をしました。
5年生存率や10年生存率が何%とかよく言われていますが、わたし的には100%でない限り心配は同じだと思います。
なので見ないようにしているのです。
どちらにせよ放射線治療も薬物療法もしていないわたしの生存率は誰にも分からないのだけれど。
怖いことから目を背けていると思われても仕方ない、と言うか忘れたふりをしているのかも知れません。
でもそれが、わたしにとっては最善の結論だったと今も思っています。
でももし再発が分かった日が来たら、今のわたしの考えは変わるのかも知れません。
それはまだ経験がないのでなんとも言えないからです。
NHK朝の連続ドラマ
今朝の朝ドラでの、医師と治療を諦めたがん患者さんとの会話が、とても心に残りました。
「どっちが本心かと聞かれたら、自分でも分かりません。
本心なんてあってないようなものです。
でもいいんです。毎日言ってることが変わっても、人間の気持ちなんてそんなもんです。
1日も長く生きたいっていう日もあれば、終わりにしたい日もある。当然です。
ただもしそんな風に毎日考えが変わってしまうのなら、固定観念や意地や罪悪感のために結論を急ぐようなことはやめて、本当に自分がそうしたいと思った方向にいつでも進路を変えられるように結論を先延ばしに出来る治療を続けておきませんか?
積極治療っていうのは明確な目標をかかげた前向きな治療のことばかりをいうんじゃないと僕は思うんです。
迷う時間を作るための治療だと思いたいんです。」
「優柔不断なんだよね。
迷うための時間か?
もうちょっとだけ頑張ってみっかぁ。」
「やめたくなったら、いつでも言ってください、また考えましょう。」
「あぁそうだな、やめたくないって思ってるかも知れないなぁ」
自分の気持ちだって毎日変わっていいんだ!
本心なんてあってないようなもの、人間なんてそんなもんなんだ。
なんか肩の荷がおりた気がしました!